小説も読み終わりの頃の話である。
小説というのは物語の大筋として起承転結が存在するのが一般的だ。
で、主人公に身を映したオレは物語の起承転結を経験する。
起の段階で新たな人物との出会いがあり、
承の段階で新たな人物を中心に世界が広がってゆく
転の段階でその人物の正体が分かり
結の段階でその人物と結ばれる・別れる・殺す
と物語は進んでゆくわけだ。
結の段階に至ったオレは大変な満足感に包まれて
「ああ、よかったな」とか「救われねえな」とか思ったりするのである。
たいていはこの段階でエンディングなわけなんだけれども、
まれに
「それから...」
などと数年後とかの後日談が書かれてしまうとオレは全身を掻き毟りたくなる。
オレはその間の過程が知りたいんだよ。
なぜ時間を飛ばすんだい。
異様な喪失感が全身を打ちのめす。
のたうちまわりたくなる。
で、大体そのエピローグってやつは余韻を残すのだ。
きっとオレがあれこれ小説とか読むのはこの物語が終わった直後からエピローグの時間が知りたいからなのだ。
従っていくら読んでも満たされない。
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