6人が任命拒否さる。
騒ぎが大きくなったとき、まず最初に思ったのは
「これがどうして学問の自由への挑戦なんですか?」ってこと。
巨大な業績を上げた科学者の日本の英知たる集団として、任命拒否という現象から学問の自由への危機に論理を繋げることに飛躍を感じる人間はいなかったのだろうか?
端から政府への不信や反発有りきの精神性じゃないとそんな突拍子もない発想には到底至らないし、何なら自分らの嫌いな政権のボロが出たと、これ幸いとばかりに騒ぎ立てているようにしか見えない。世論に訴える前にやるべきことをやったのか。知識人を気取るなら嫌いな相手にこそ真摯に言葉を尽くすべきではないのか。
そもそも、
たとえ政府不信の精神性であっても、科学者であるならば理由を問いただし、それが納得いくものでなければ、過去の政府答弁を引用しつつ現状変更が手続き上の瑕疵に該当するとして淡々と冷静に政府に是正を求めてゆくものではないのだろうか?
まあそれも近年の安全保障環境の変化についていけない前例主義の思考停止とも言えるわけだが。
閑話休題。
事実も出揃わぬまま各学会が「懸念」を発表し、論点を大きくしすぎたことでデマが飛び交い憶測が広がり、無用な対立や罵り合いがどんどん広がってしまった。
科学者というものは先の大戦の反省から平和を希求する人間集団であるとするならば、自らの失政が引き起こしたこの正義のない「戦争」に一体どういう申し開きをするつもりだ。
ちょっといざこざがあっても何とかうまくやっていく方法を考えるのが身近な平和への模索ではないのか。そういった行動すら政府に取り入る権力癒着ととらえて拒絶反応を起こすのか。
現政府与党にこそ中立の立場から学術の重要性と学術会議の立場を深く理解してもらう必要があったのに、特定の世論に乗せられてこのような炎上を起こして今後一体誰がありがたく耳を貸すだろうか。
結局どういう文脈であれ明確に政府と対立した立場をとった以上、これで日本学術会議が政府機関である理由は薄れた。
政策への発言力も低下するだろうし、科学者の矜持や権威も何も守れていないどころか自ら手放すような状況を招いたことは最大の戦略ミスであり、会員全員辞任するべきレベルで将来にわたる損失を被った。
政権批判ばかりの論調のメディアに乗せられてバランスを欠いた視野が引き起こした必然だ。
どうせ騒いだ連中はこうした結果を論考することもなく、自省することもなく今後も政府の批判しかしないだろう。
理想ばかりにのめりこんで勝手な正義をひけらかし、人の世の世直しを理解しないダメインテリの典型例だ。
稚拙極まりないし、同じ科学者として失望を禁じ得ない。
(実績は私の方が比肩しようもないゴミのようであるが)
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